クズ 賢者。 追放最凶クズ(?)賢者の辺境子育てスローライフ ~クズだと勘違いされがちな最強の善人は魔王の娘を超絶いい子に育て上げる~

家庭料理はもちろんのこと、凝ったお菓子も得意だ。

ケーキの他に食べたいものはあるか? 何でも作ってやるぞ」 「なんでも……?」 「ああ。

辺境の山奥で暮らす賢者カイン。

家庭料理はもちろんのこと、凝ったお菓子も得意だ。

最初の日に食べたクッキーがよほどお気に召したのか、フィオは毎日のように作ることをねだってきたのだ。

幼いながらに強大な力を持った彼女を持て余し、カインと潰し合わせようという魂胆だった。

しかしカインはかぶりを振って、その殺意をひとまず保留する。

(でもなあ……こいつが俺様に懐いたのは、他に頼れる相手がいないからだ。

最強クズ賢者(ほんとは善人)が娘と送る、ほのぼのスローライフ。

「起きたらカインさんがいなかったから……探したの……」 「あー……ごめんなあ。

52 48

なぜか勝手にざまぁが進む。

「まあ、それはおいおいだな……まずはクーデリアに連絡付けねえと」 どうやらクーデリアはヒューゲル将軍の件で、遠方まで調べ物に出ているらしい。

「カインさん……?」 「っ」 そこで名前を呼ばれ、ハッと顔を上げる。

ほんの少し前に出会ったばかりではあるものの、もうすっかり懐いてくれたらしい。

これでも料理が得意なんでな。

しかしカインはかぶりを振って、その殺意をひとまず保留する。

「そうだ、フィオ。

シフォンケーキも焼いたら、あとで食わせてやるな」 「……うん」 カインが頭を撫でてやると、フィオは心地よさそうに目を細めた。

そして愛する勇者までも、クズ賢者の策略により幽閉されてしまう。

ひとまず彼女にフィオのことを調べてもらって、今後の方針を決めたいところだ。

90